JR島本駅西地区開発計画の経緯と問題点

(※)2018.08.08全面改訂しました。

平成20年に開業したJR島本駅の西側1km程の距離に広がる田んぼを中心とした地区に開発計画(土地区画整理事業)が立ち上がっています。現在の土地区分である市街化調整区域(注:開発を抑制すべき区域)を市街化区域へと変更し、駅前を住宅を中心とする市街地へと開発しようという計画です。住民の流入が予想され、維持費などが発生し町の財政を圧迫することが予想されます。また町財産である町立第三小学校の敷地の一部が削られる(減歩<げんぶ>という)恐れがあります。なぜなら、この土地区画整理事業には地権者だけでなく、町も参加し、対象区域に町立第三小学校が入っているからです。

JR島本駅西側に広がる農地

町は駅前のスプロール化や乱開発を防ぐためにこの計画が必要だと説明(JR島本駅西地区におけるまちづくり)しますが、それならば今の市街化調整区域を維持し、開発規制を強めればわずかなコストで済む話です。いま島本町は既存住宅の空家化が進行しています。新たに宅地開発をする必要性があるとは思えません。また平成27年、都市農業振興基本法が成立し、都市における農地はこれまでの「宅地化すべきもの」から、「あるべきもの」とする方針の転換が図られました(都市農業振興基本計画)。JR島本駅開業当初とは社会情勢に変化が生じているのです。開発計画の推進には疑問が持たれます。

住民は町や議会に様々な形で意見を届けるよう試みて来ました。しかし、聞き受けられることはありませんでした。平成24年6月、町は区域の線引き変更を根拠付けるため「島本町都市計画マスタープラン」(都市マスと略する)を改訂しました。この改訂に先立ち実施された住民アンケートへの意見には、西地区を農地のままにしておくことを望む意見が多数あったにも関わらず、それらは無視され、市街化を進める方向性をより強めるよう文章が書き直されました。平成28年8月~9月にかけて住民有志により署名活動(山崎観光案内所の記事)が行われ、一ヶ月強の短期間に2,700筆以上の署名が集まり、請願(JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願)という形で議会に提出されましたが、不採択(平成28年島本町議会9月定例会議の結果)となってしまい、町には届きませんでした。この他、市街化区域への変更に必要な町内での手続きを担う都市計画審議会(都計審と略する)という町の付属機関においても平成28年1月、計画の方針には地権者だけでなく住民の意向を十分に取り入れるよう付帯意見がなされていましたが、町がこれを尊重した形跡は見られません。この

JR西日本のCMでも取りあげられた美しい風景です

ように、町には住民からだけでなく内部からも計画に住民意見を反映するよう意見が出されているのですが、それらに耳を貸さず、当初の計画通り進めるという基本姿勢が崩れることはありませんでした

平成29年4月の町長選挙で「住民参加のまちづくり」を公約に掲げた山田町長が当選し、町のこの住民不在で計画を進める姿勢にやや変化が現れました。平成30年1月19日には初めての住民説明会(しまもと町民の会の記事)がケリヤホールにて開催され、平日の夜の日程にも関わらず300名近くの住民が参加しました。そして意見募集があり、147名の意見が集まりました。ここでの意見もやはり、一旦白紙に戻し、住民意見を取り入れた上で計画を練り直すよう求める意見が多く見られました。しかし、その後の3月の町議会の一般質問における町からの答弁で分かったことは、町はあくまで計画通りに進めるとの姿勢を崩していないことでした。

どんど焼き。冬の風物詩です。

本当にこのまま計画が進んでよいのでしょうか?町の財政に大きな負担を強い、また三小の土地の一部を失う可能性のある計画、そして人口減少社会、都市農地の保全化という時代の流れに逆行する計画を、住民の意見を取り入れないまま進めてよいのでしょうか?

まだまだこちらの計画分かっていないことが多いです。町財政、農業への影響また人口・学童、交通量増加の影響などです。これはそもそも町が情報を開示していく姿勢に乏しいことにも原因があります。計画が開始された当初、どこそこの大学を誘致するだの、某中高一貫の進学校が移転してくるだの土地の利用法を、住民は噂で知り、また報道で知るなどしたものです。町議会議員が自主的に勉強会を開くなどして計画内容が徐々に明るみになるに従い、財政上の問題点が指摘され、また計画そのものの意義に疑問が呈され始めました。三小が事業区域に入っていることにしても、町議会の一般質問で追及されて初めて公となったことです。

今後どんどん手続きが進められていきます。計画に関心・疑問、質問をお持ちの方は、問い合わせや傍聴などで情報収集し、積極的に意見をお出しになるとよいでしょう。「私の声」からも意見・質問が投稿可能です。しまもと・フォーラムとしても、随時情報提供して参りたいと考えております。8月には町長と対話の機会となるタウンミーティングが開かれます。しまもと・フォーラムのメンバーも参加を予定しています。